(11)抗酸化作用のあるカテキンは人体に有用か?
皆さんは、カテキンという物質をご存知でしょうか?
カテキンは、ポリフェノールの一種で、緑茶の苦味成分の一つであり、抗酸化物質としても有名です。
更には脂肪分解作用、抗菌作用、抗がん作用、抗コレステロール作用、血圧や血中コレステロールの上昇抑制作用など、その健康に良い効果を挙げたら枚挙に遑がありません。
カテキンの一つであるエピガロカテキンガレート(EGCG)は、カテキンの主要成分で、
緑茶のカテキンのうち、約60%は、このEGCGで出来ています。
実際、EGCGをヒト上皮細胞に投与すると、血漿濃度で100μMまでの範囲では、ヒト上皮細胞中のMn-SOD( SOD=スーパーオキサイドディスムターゼ 活性酸素消去因子) の抗酸化活性は容量依存的に上昇していきます。つまり抗酸化物質として作用します。
ところがEGCGの濃度が、100μMを超えてたあたりからは、遺伝子DNAの酸化障害の指標である8-oxodGの値が、急激に上昇する細胞が出てきます。つまり、EGCGは一定の濃度以上になると強力な活性酸素であるヒドロキシラジカルを発生して、逆に遺伝子を傷つけてしまうのです。
以前、ダイエットのために、「雪茶」を毎日5-10g を3カ月間、毎日飲んでいた福岡の親子が、重症の肝機能障害で入院してしまった話は有名です。
お茶が、過剰摂取により活性酸素を発生させてしまい幹細胞にダメージを与えてしまったと考えられます。過ぎたるは及ばざるが如しですね。