(37)セノリティクス としてのナビトラックスとは?
ナビトラックス(Navitoclax / ABT-263)とは?
BCL-2ファミリー阻害薬
(特にBCL-2, BCL-XL, BCL-Wに作用)
もともと抗がん剤として開発された分子ですが、
老化細胞が過剰に依存しているBCL-2系の抗アポトーシス機構を解除するため老化細胞だけ選択的に死滅させることが分かり、
セノリティクス薬の中心的薬剤となっています
- ナビトラックスのセノリティクス効果の強さは?
Navitoclaxはsenolytic(除去)作用が最も強い部類になります。
特に BCL-2 BCL-XL
→ これらを阻害すると老化細胞がアポトーシスします
Navitoclaxは最もキレが強く、除去作用が強いという研究が多いです。
- ナビトラックスの副作用→血小板減少
NavitoclaxはBCL-XL阻害 → 血小板が死にやすくなる
- 血小板減少(Platelet drop)
- 出血傾向
- 内出血
→ 臨床での最大の使用制限要因です!
ただし通常の抗腫瘍量よりかなり低用量でもセノリティク効果が出るという研究報告が複数あり、つまり副作用は軽減できる可能性があります。
- D+Qとの比較
| 項目 | D+Q | Navitoclax |
| セノリティクス作用 | 強い | 最強クラス |
| セノモルフィック | あり | あり |
| 副作用 | 比較的軽い | 血小板↓要注意 |
| 使用しやすさ | ○ | △非常に制限 |
- 他のセノリティクス薬剤の比較
| 種類 | 作用 |
| Dasatinib + Quercetin | 老化細胞除去 基本形 |
| Fisetin | NAD/SIRT系にも良い |
| Navitoclax | BCL-2系特効 最強系 |
セノリティクス 最強と呼ばれているナビトラックスですが、今後はダサチニブ+ケルセチン、フィセチンと臨床効果と検査データを比較してご報告していきたいと思います。

