以下に 当院で施行しているD+Q(ダサチニブ+ケルセチン)/フィセチン/EGCG(緑茶カテキン) の比較表を作成しました。
セノリティクス強度・作用機序・安全性・投与形態・臨床状況まで網羅しています。
セノリティクス比較表(研究・臨床含む)
| 項目 |
D+Q(ダサチニブ+ケルセチン) |
フィセチン |
EGCG(緑茶カテキン) |
| 分類 |
医薬品(抗がん剤+フラボノイド) |
フラボノイド |
カテキン系ポリフェノール |
| セノリティクス強度(老化細胞除去) |
高い(最も確立) |
中〜高 |
低〜中(セノモルフィック寄り) |
| セノモルフィック作用(SASP抑制) |
中 |
高い |
非常に高い(抗炎症・NF-κB抑制) |
| 主な作用機序 |
BCL-2/BCL-xL阻害、チロシンキナーゼ阻害 |
SCAPs阻害、PI3K/AKT抑制、ROS誘導 |
NF-κB抑制、mTOR抑制、抗酸化、Nrf2活性化 |
| SASP因子抑制 |
IL-6/IL-1β/TNF-α↓(中等度) |
IL-6/IL-1β/MMPs↓(強い) |
IL-6/COX-2/NLRP3↓(非常に強い) |
| ミトコンドリア保護 |
△(酸化ストレス誘導寄り) |
○(ATP産生↑、ROS↓) |
◎(mtROS↓、複合体機能改善) |
| 寿命延長データ(マウス) |
あり |
あり(最大10%延長) |
データあり(間接的、寿命延長効果弱) |
| 臨床試験 |
高齢者疾患・腎線維化などで複数進行 |
老化・COVID炎症・フレイルなど多数進行 |
がん・代謝・脂肪肝・認知症など多数 |
| 投与形態 |
経口・点滴可能(ダサチニブは処方薬) |
経口サプリ/高用量点滴(試験段階) |
経口/点滴(国内一部自由診療) |
| 典型用量(研究ベース) |
D:100mg Q:1000mg × 2日間 |
1000〜2000mg × 2日間(体重換算) |
250〜1000mg点滴 or 500mg経口 |
| 副作用リスク |
骨髄抑制、胸水、下痢、出血傾向など |
高用量で肝酵素上昇の可能性 |
高用量点滴で肝酵素↑/吐き気 |
| 市販サプリ |
✖(ダサチニブは医薬品) |
○(500mg前後) |
○(EGCG 300〜500mg) |
| 臨床使用ハードル |
高い(薬剤管理・同意書必須) |
中(高用量点滴は未承認扱い) |
低(食品扱い・安全性高い) |
| 学術評価 |
最も強いセノリティクス(基準) |
食品由来最強クラス |
「セノリティクスというよりセノモルフィック」 |
セノリティクス用途での実務的評価
| 観点 |
最適候補 |
| 老化細胞除去が主目的(p16陽性細胞減少) |
D+Q > フィセチン > EGCG |
| 安全性・副作用が問題となる場合 |
フィセチン > EGCG > D+Q |
| 点滴セノリティクス(自由診療導入向け) |
EGCG>D+Q(※Dは規制強) |
| 抗炎症・SASP抑制メイン |
EGCG ≧ フィセチン ≫ D+Q |
| 臨床で使用実績が多い |
EGCG(代謝・抗がん領域で多数) |
| アンチエイジング学会で注目度高い |
フィセチン、D+Q |
✅ 3つの定位づけ(まとめ図)
| グループ |
製品例 |
立ち位置 |
| ハード型セノリティクス |
D+Q |
老化細胞を「殺す」 |
| ハイブリッド型 |
フィセチン |
除去+SASP抑制の中間型 |
| ソフト型セノモルフィック |
EGCG |
老化細胞を「無害化する」 |
以上簡単にまとめましたが、まだまだ検討の余地はありそうです。患者さまの状態や年齢に最適な、それぞれの良い点を用いたセノリティクス 、セノモルフィック治療を選択して参ります。