臨床試験には、22〜62歳までの計26人の健康な人々が参加した。参加者は低用量のメチレンブルーか対照実験用の効用のない薬を服用し、服用前と服用の1時間後にfMRIスキャンを行いました。その結果、メチレンブルーは島皮質と呼ばれる脳の領域の反応を増加させた。この領域は脳の深い部分にあり、感情の働きに関与している。さらに、記憶の処理をコントロールする前頭前皮質、知覚情報の処理を行う頭頂葉、視覚情報処理の中枢である後頭皮質といった、短期記憶を取り出す際に働く部位の反応も(メチレンブルーによって)高められることが示された。結果短期記憶が7%改善されました。今回の研究結果は、たった1回のメチレンブルーの投与によって、集中力の維持と短期記憶に関係する脳の働きを改善できることを示唆しています。「この研究は、今後のメチレンブルー研究の基盤を築くものです。老化、認知障害や認知症の治療、そのほか記憶力が必要とされる場面で役立つでしょう」とドゥオン氏は言う。研究結果は『Radiology』誌で発表されています。メチレンブルー の点滴や内服は、当院でも認知症への効果、精神を安定させる効果があることが判ってきました。