H2O2(過酸化水素)点滴療法とは?
点滴用のH2O2をブドウ糖液に混注し、プロトコールに従って末梢静脈から点滴投与する治療法です。
過酸化水素を医療に用いられたのは、1920年、イギリスの内科医である T.H.Oliver が、当時は致死率が80%以上あったインフルエンザの患者25人に対して過酸化水素の点滴治療を行い、48%まで致死率を改善したのが始まりと言われています。
アメリカでは、1960年代よりBaylor University Medical Centerにてがん治療に対する大規模な研究が行われ、医師たちは少量の過酸化水素の点滴は副作用が少なく、高圧酸素療法と同等の効果が得られることを発見しました。
また、放射線治療と併用する場合、がん細胞の酸素化に有効であり、狭心症などの心筋虚血にも効果があり、さらに動脈硬化のプラークを除去する作用があることを発表しました。
Charles H. Farrは、過酸化水素療法を含めた、近代酸化療法の父呼べる研究者であり、酸化療法を医学的、科学的に研究し多数の文献、書籍を残しています。彼は1993年にはノーベル医学賞にノミネートされています。
H2O2(過酸化水素)点滴療法により治療効果の期待できる疾患
・呼吸器疾患(COPD, 気管支喘息、肺気腫など)
・ウィルス感染(単純ヘルペス、帯状疱疹、HIV、インフルエンザ、EBウィルス、サイトメガロウィルス)
・細菌感染症(急性、慢性)
・真菌、カンジダ感染症
・片頭痛、群発頭痛、血管性頭痛、側頭動脈炎
・脳血管疾患、アルツハイマー病、パーキンソン病
・循環器疾患(狭心症、不整脈、末梢動脈疾患)
・2型糖尿病
・多発性硬化症、慢性関節リウマチ、エリテマトーデス
・転移性がん、悪性リンパ腫、神経芽腫
・慢性疲労症候群
H2O2(過酸化水素)点滴治療方法
1.3%の点滴用のH2O2 を5%のブドウ糖液に混注し、プロトコールに従って末梢静脈から点滴投与します。
2.使用するH2O2の量は、効果を診ながら段階的に増量していきます。
3.1回の治療時間は約40-60分くらいです。
4.慢性疾患の場合には、1週間に1回、肺炎等の急性感染症の場合は、毎日1回、症状が改善するまで、1回から約20回までの範囲で、患者様の症状に応じて、増減の調整を行ったうえ、投与します。
※また、必要に応じて血液バイオフォトセラピーや、他の酸化療法と組み合わせをして、より強力な酸化療法を行います。
H2O2(過酸化水素)による作用
・点滴にて投与されたH2O2は、当初体内で血漿と白血球のカタラーゼと直ちに反応してH2Oと酸素に分解されます。
・H2O2は、一方で赤血球膜に侵入して、2,3DPGを活性化することで、酸素乖離曲線が右方移動するため、点滴投与により、遊離酸素が持続的に増えて、持続的に体内が酸素化されます。
・インシュリン様作用により糖代謝を促進します。
・同時にATP産生を増加させ、体力をアップします。
・H2O2が、細菌やウィルスを直接殺菌します。
・単球、マクロファージ、ヘルパーT細胞の働きを活性化して、免疫力を増強します。
・血中のコレステロールと中性脂肪を減少させます。
・肺胞の血流を増加して酸素化を促進、壊死、障害組織を除去します。
・プロゲステロン、サイロキシンなどのホルモンの産生を促進します。
H2O2(過酸化水素)の薬剤
当院では、点滴用に調剤された3%の製品を使用しています。 アメリカより冷蔵輸送され、保存は必ず冷蔵にて行っています。 また、定期的に測定器を用いて保存している過酸化水素濃度のチェックを行っています。
※アメリカでは、経口用の高濃度のHydrogen Peroxide を希釈して、マイクロフィルターにかけて、点滴投与している医師が居るようですが、品質が不安定で、異物が混入する可能性を否定できず、お勧めできません。
禁忌
・甲状腺機能亢進症
・G6PD欠損症
・妊婦
副作用などの注意事項
H2O2(過酸化水素)点滴治療に特有のリスク、副作用はありませんが、稀に血管痛が出ることがあります。点滴速度を遅くすることで改善します。
※完全予約制での治療となりますので、お電話によりご予約をお取りいただいたうえ、ご来院ください。
※料金は全て税込金額です。
※初診料、再診料は、必要ありません。
※上記の価格はすべて自由診療です。健康保険は使えませんが、使用薬品はすべて厚生省認可の薬剤を使用しております。