グルタチオン療法とは?

米国ではパーキンソン病の機能改善と病状進行の遅延を目的とする グルタチオン療法は多くの施設で行われていますが、日本ではほとんど知られていません。 本治療は15~30分の静注または点滴です。点滴終了後からで歩行、振戦、バランスなどが明らかに改善する事例もあり、通常は数回の治療で効果を体感します。
この治療の最初の報告は1996年で、パーキンソン病患者9人にグルタチオン600mg i.v.を1日2回、30日間投与したところ、全例で効果が認められ、運動機能の42%が改善しました。また、その効果は3ヶ月持続したと報告されています。
これに注目し、米国で広めたのはPerlmutter Health Center (http://www.perlhealth.com/)の David Perlmutterです。グルタチオン療法は現在、南フロリダ大学でクリニカルトライアルが進行しています。Perlmutterによればパーキンソン病に対する効果は80-90%で、グルタチオンがフリーラジカル・スカベンジャーとして働き、ドーパミン受容体の感受性を高めるからであろうと考えています。同時にセロトニン受容体の感受性を高めることでパーキンソンの鬱症状の改善も見られます。

現在、グルタチオン点滴療法で最も注目されているのが
・パーキンソン病に対する治療
・抗がん剤に対する神経障害
・閉塞性動脈硬化症
・デトックス(体内解毒)
その他、米国では線維筋痛症、過敏性腸炎、慢性疲労症候群、 各種神経系疾患、そしてエイジング分野でもグルタチオンの点滴処方をする クリニックがあります。

グルタチオン療法は、日本では、下記の適応症が、認められている薬剤です。
・薬物中毒,自家中毒,周期性嘔吐症
・慢性肝疾患における肝機能の改善
・急性湿疹,慢性湿疹,皮膚炎,蕁麻疹,リール黒皮症斑
・妊娠悪阻,晩期妊娠中毒
・角膜損傷の治癒促進
・放射性療法による白血球減少症,放射線宿酔,放射線による口腔粘膜の炎症

この、パーキンソン病におけるグルタチオン点滴療法は、実際、日本国内で実施している施設はまだまだ少ない治療法ですが、振戦、歩行障害、嚥下障害、表情の乏しさ等の症状に対して、劇的に改善した事例があります。現在、患者様が行っている、パーキンソン病の治療にも影響はありません。副作用もほとんど見られず、パーキンソン病患者にとって一度は、試みるべき治療法と考えられます。

副作用などの注意事項

グルタチオン点滴治療に特有のリスク、副作用はありませんが、点滴治療全般に見られる点滴針刺入部付近の内出血、痛みが見られることがあります。

自己血オゾン療法

患者さまの症状により、グルタチオン点滴の効果が感じられない場合は、「自己血オゾン療法」「水素水療法」をご提案させていただきます。

文献

Sechi G. Deledda MG; Bua G; Satta WM; Deiana GA; Pes GM; Rosati G, Reduced intravenous glutathione in the treatment of early Parkinson’s disease. Prog Neurophyschopharmacol Biol Psychiatry, 20(7); 1159-70 1996 Oct.

Johannsen P; Velander G; Mai J; Thorling EB; Dupont E, Glutathione peroxidase in early and advanced Parkinson’s disease. J Neurol Neurosurg Psychiatry, 54 (8); 679-82 1991 Aug.

Spina MB; Cohen G, Dopamine turnover and glutathione oxidation: implications for Parkinson’s disease. Proc Natl Acad Sci U S A, 86(4);1398-400 1989 Feb.

Di Monte DA; Chan P; Sandy MS, Glutathione in Parkinson’s disease: a link between oxidative stress and mitochondrial damage? Ann Neurol, 32 Suppl; S111-5 1992.

Sian J; Dexter DT; Lees AJ; Daniel S; Agid Y; Javoy-Agid F; Jenner P; Marsden CD, Alterations in glutathione levels in Parkinson’s disease and other neurodegenerative disorders affecting basal ganglia. Ann Neurol, 36(3);348-55 1994 Sep.

グルタチオン療法治療料金

「防腐剤無しの海外製グルタチオン使用」

・1200mg 9,000円/1回
・2400mg 17,000円/1回
・3600mg 25,000円/1回
■既にパーキンソン病の診断を受けている患者さまの治療料金は以下となります。
・1200mg 7,000円/1回
・2400mg 10,000円/1回
今まで、数多くのパーキンソン病の患者様をグルタチオン点滴療法にて治療して参りましたが、有効投与量は、2000〜2600mg必要だと考えています。また、症状を安定させるためには、週一回の治療をお勧めしています。

※初診料はありません。
※料金は全て税込金額です。
※自由診療のため全額自己負担となります。